現代でも君主の地位の継承資格を「男系男子」に限定する
数少ない国の1つ、サウジアラビア。
一夫多妻制がその限定を支えている。
しかし、一夫多妻に伴う弊害もあるようだ。「サウジアラビアは『建国の父』アブドゥルアズィーズ・イブン
・サウード(在位1932~53)が亡くなって以来、歴代の国王には
すべて彼の息子たちが順次即いてきた。一夫多数妻を採った彼には22人の妃との間に40人前後の王子が
誕生したとされる。
…サウジアラビアの王家にとって難問となっているのが、増え続けている
『王族の数』である。2017年現在でも、その数は実に7000人以上とも言われている。
このなかでも実際に王位継承に関わり、政官財軍の主要ポストに
就けるのは200人程度とされるが、それでも一夫多妻制が続く限り
王族は増え、それだけ王家の支出も増えていく。特に、ファハド国王(1982~2005)の時代には、国内で禁じられて
いるはずの『飲酒』をはじめ、麻薬におぼれた王族や、国内外にいくつもの
豪奢な宮殿を建てる王族が登場し、王家に対する批判的な声が噴出した」
(君塚直隆氏『立憲君主制の現在』)。継承資格を「男系男子」に限定すれば一夫多妻制(又は側室制度)が
必要不可欠となる。
又、一族の数もある程度多数でなければ、継承が不安定になる。
しかし、その数が膨れ上がれば費用がかさむ一方、不心得者も出てくる。
悩ましい問題だ。我が国でも残念ながら、皇族の数が多かった戦前、傍系の宮家皇族の
中には余り感心できない行動も見受けられた。【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
BLOGブログ
前の記事へ憲法は「宗教儀式」を禁止していない
感動した国民祭典次の記事へ